【光学】凹面鏡

【光学】凹面鏡

凹面鏡を用いたデモ
ソース:https://youtu.be/3e-LZPHBA2M

■概要

鏡はその形状に応じて、平面鏡と曲面鏡に分けられ、曲面鏡のうち、歪曲した面の内側を鏡面とするものを凹面鏡(concave mirror)という。

凹面鏡は、反射望遠鏡から車のヘッドランプ、そしてミラスコープのようなおもちゃまで、様々なものに利用されている。

ここでは、上のアニメーションにある、振り子を用いたデモを通して、凹面鏡の性質と仕組みを簡単に説明する。

■凹球面鏡の性質

ここでは、凹面鏡の中でも球状のもの、すなわち凹球面鏡の性質を考える。球面鏡を考える上で重要な値は、曲率中心(鏡の弧を延長して円にしたときの中心)と、その半分の値を取る焦点距離、すなわち鏡から焦点までの距離である(以下、図では「レンズ」としてあるものを「鏡」と思ってもらえればいい)。
凹面鏡
図1:凹面鏡における曲率中心と焦点距離の関係

これらの二つの点と、物体の位置関係によって、像の結ばれ方が変わってくる。以下、図を用いてそれを説明する。

まず、物体がその曲率中心よりも離れているときは、図2のように、実際よりも小い実像が結ばれる。実像とは、反射してきた光が集まって作る像のことで、上下が反転する。
図2:物体が曲率中心よりも遠くにある場合。

次に、物体が曲率中心と焦点の間にある場合。図3の通り、このときに結ばれる像も実像だが、大きさは実際よりも大きくなる。
図3:物体が曲率中心と焦点の間にある場合。

最後に、物体が焦点よりも近くにある場合。このときは図4のように、実際より大きく、上下反転のない虚像が結ばれる。虚像とは、実際に反射光が集まってできる像ではなく、やってくる光をたどることで、そこから光がやってきているように見える像のことである。
図4:物体が焦点より近くにある場合。

これらの性質ゆえに、凹球面鏡の前で物体の距離を変化させることで、その像も興味深い変化を見せるのである。

■ミラスコープ

放物線型の凹面鏡を用いた興味深いおもちゃがミラスコープである。これは、凹面鏡を上下に重ね、下側の凹面鏡の上に物を置くことで、反射した光が上部に立体的な像を生み出す
ミラスコープ
図5:凹面鏡を上下に二つ重ねて作られたミラスコープ
この像は言われなければ本物と区別がつかないほど鮮明であるため、不思議な感覚を経験することができる。


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