腕の中の太陽系『Midnight Planétarium』

腕の中の太陽系『Midnight Planétarium』


ミッドナイト・プラネタリウム(Midnight Planétarium)と名付けられたこの時計には針がない。代わりに、太陽を中心に、水星、金星、地球、火星、木星、土星を表す宝石を載せた6枚のディスクが回転し、時を刻む。

これらの惑星は実際の公転周期にしたがってそれぞれ異なる速度で回転する。つまり、木星は約12年、火星は687日、地球は365日、金星は224日、水星は88日、土星は29年以上かかって、一周するよう設計されている(日常的なスケールでの時間を知るために、15分刻みの時間目盛りは付いている)。

SNSで動画を紹介しただけでは、きっと多くの人が腕の中で太陽系を再現するこの美しい作品についての詳細を知りたがるだろうと思い、この記事を書くことにした。特に、そのうちの多くの人は、どこで、どの程度の値段で買えるものだろうと気になっていることだろう。私もその一人だった。しかし、そのような人たちには残念なお知らせがある。この記事の読者の大半にとって、この小さな太陽系があなたの腕で展開されるチャンスは非常に小さいと思われる。
この作品は、時計メーカークリスティアン・ファン・デル・クラウー(Christiaan van der Klaauw)と、ジュエラーのヴァン クリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)による合作で、Poetic Complicationsというシリーズの一作品であり、実際に販売もされているため、原理的に購入不能なわけではない。だが、日本版の公式サイトを覗いてみると、一つのモデルの価格は¥26,568,000となっている。桁は数えたい人だけ数えればいいだろう。

もちろん、特別リッチな人でなくとも、本気で望めば不可能な額ではないかもしれないが、そこまでして自分のものにしたいと考える人はそういないだろう…。私個人としては、この種のものは一つのアート作品として動画や画像で鑑賞できれば十分だ。おそらく、今から土星軌道を一周するころには、そのくらいの値段で(単なる無重力体験ではない)宇宙旅行さえ可能になるかもしれない。ちなみに送料は無料だそうだ。

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