色々なグラフで見る新型コロナウイルス感染者数の推移

色々なグラフで見る新型コロナウイルス感染者数の推移


国内の新型コロナウイルス感染状況を、いくつかの異なるグラフを簡単な解説と共に用いて示す。感染者数のデータはコチラを参考にしている。

最終更新:2020年4月29日 22:31(2020年4月29日22:31までのデータを反映)

●線形グラフ

最も一般的なグラフで、ここでは、横軸に日付、縦軸に累計の感染者数を取っている。

もし対処がなされない場合、新たな感染者数は、元の感染者数に比例して増加していく。式で書けば、ある時刻$t$の感染者数を$N(t)$とし、増加の比例係数を$a$とすると、時刻$\Delta t$後の感染者数は \begin{align} N(t+\Delta t)=N(t)+ aN(t)\Delta t \end{align} と表せる。$\Delta t \to 0$の極限を取るとこの式は \begin{align} \frac{dN}{dt}=aN \end{align} となり、解は \begin{align} N=N_0 e^{at} \end{align} で与えられる。ここで$N_0$は初期時刻における感染者数である。

線形グラフで見たとき、感染者数の増加が指数関数的であるうちは、抑制が効いていないか、そのための取り組みの効果がまだ表れていないことが確認できる。 指数対数について復習したい場合は、『指数・対数』を参照。

●片対数グラフ

こちらは、横軸は日付のままだが、縦軸を累計感染者数に取り、ログスケールでプロットしている。

もし、感染者数が$N=N_0 e^{at}$のように指数関数的であれば、その対数は \begin{align} \log{N}=at \end{align} となるため、横軸を$t$に対応する量で取ったとき、グラフは傾き一定の直線を描くことになる。

このグラフでは対数の底を$10$にとっているが、底の取り方の違いは目盛りの変更に対応するだけで、グラフの形には影響しない。傾きが大きくなれば、感染のペースが加速しているといえるし、傾きが緩やかになれば減速しているとみなせる。

●両対数グラフ

物理学系のYouTubeチャンネルminutephysicsの動画で紹介され、わかりやすいと反響のあった両対数グラフを参考にした。これは、横軸を時間ではなく累計感染者数、縦軸を過去一週間の新規感染者数に取り、どらちもログスケールでプロットしている。

つまりこの図は、元の感染者数に対する増加の割合をプロットしているため、指数関数的に感染が拡大していればグラフは直線になるが、増加率が減少するとグラフの変化率が負になり、下に向かって垂れ下がっていく形になるため、感染抑制の傾向が視覚的に理解しやすくなる。


●線形グラフ(成長率)

横軸を日付に取っているのに対し、上のグラフの傾き、すなわち(新規感染者数)/(その日より前の累積感染者数)を縦軸に取った。

このグラフは、ある日の報告者数がその日までの総感染者数の何%であるかを、グラフの傾きではなく縦軸の値で表している。

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