【電磁気学】回転ワイヤ【おもちゃ】
【電磁気学】回転ワイヤ【おもちゃ】
■概要
ファラデーのコマとも呼ばれるこのおもちゃは、乾電池とネオジウム磁石と銅線で作れる簡単なモーターで、ローレンツ力(とジュール熱)を体感することができる。 100均の商品でできる手軽な実験の1つである。
以下で、その作り方と仕組みを説明する。
■材料
- 乾電池
- 銅線
- ネオジウム磁石
ネオジウム磁石を使うのは、磁力が強いという理由だけでなく、電気を通しやすいという理由もある。よくある黒っぽいフェライト磁石では十分電気を通さないのでうまくいかない。また、ワイヤは銅線でなくともいいが、磁石に引っ付かない素材でないといけない。
■作り方
作り方と注意点は以下のとおり:
- 電池の底にネオジウム磁石を引っ付ける。
- 銅線の一点を電池のプラス極につけ、銅線の端っこがマイナス極となる磁石に軽く触れるような形に曲げる。
- 銅線が電池にひっかからないように注意。
- 電池が熱くなるので注意。
■仕組み
仕組みもシンプルだ。数式がわからないという人は無視してもらっても差し支えない。
磁場$\bm{B}$中で、銅線を速度$\bm{v}$で走る荷電粒子にかかるローレンツ力$\bm{F}$は \begin{align} \label {eq} \bm{F}=e\bm{v}\times \bm{B} \end{align} と表される。ここで、$e$は電荷である。この右辺の$\times$は、速度の向きと磁場の向きに直交する方向を向くことを表している。
電池のプラス極とマイナス極を銅線でつなぐと、電流が流れだし(電流の流れは電子の流れの逆)、電流の向きと磁場の向き、そして(電子を通して)銅線に働く力の向きの関係が、以下の図のようになる。
このように、電池を軸とし、両端で同じ方向に回転させる力が働くため、銅線が回転するのである。
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